『雷』と『稲妻』の違いについて

⑴ 雷


光(稲妻:電光)と音(雷鳴)。
電光が見え、雷鳴が聞こえる天気で、空中に細長い光が走り、それと共に大きな音が発生する現象です。
物理的な仕組みは、雲の中で大量の正負の電荷分離が起こり、下層に負電荷が、上層に正電荷が蓄積してそれぞれの蓄積量が一定の値に達すると、電光放電するというものです。


そもそも、空気は絶縁体なので電気を通しません。
だから、コンセントの近くに居てもビリビリ(感電)しませんよね。


雲は電気ため込むことができ、電圧が1億ボルト程度まで高まると、空気中に漂っているホコリや水分の影響で、絶縁破壊しやすい部分ができて耐えきれなくなり電気を通してしまします。
この現象が雷となります。


雷は、空気中を少しでも通りやすい部分を探しながら進むため、直線ではなくジグザグになったり、スピードの変化が見られたりします。


この電光のルートの周辺は、電気の影響で加熱され、空気が音速以上のスピードで急膨張するのですが、この時の衝撃波となりゴロゴロといった“雷鳴”となります。

⑵ 稲妻


光(電光)のみ。
空中電気の放電によって生じる電光。稲(植物)の成長の要素の一つに窒素(チッ素)があります。空気の成分の約80%が窒素なのですが、稲(植物)は窒素を空気中から直接摂り込むことができません。


そこで、雷が大切な役割を果たしているのです。


雷の放電により、空気中の窒素が酸素と結びついて雨に溶け込んで地上へ降り注がれて地中(土)に浸み込みます。


その水を植物が根から吸い込むことで、窒素を摂取して稲(植物)は育ちます。


このことから、一説には雷は稲の豊作に欠かせない伴侶的「妻」のとうな存在であることから、“稲妻”(いなづま)と言われるようになったようです。