『大気圏』について


1 大気圏(対流圏・成層圏・中間圏・熱圏)

 大気圏は、地球を取り巻く薄い大気の層のことで、地上から近い順に「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」という4層構造からなっています。
 この大気圏(地上から概ね100㎞以上まで)の外側が宇宙と言われております。


2 大気層(4層)の分け方

 大気層の4層は気温(大気の温度)の変化により、概ね10km、50km、80kmで分けられています。
 一般的には地上から高度が高くなるほど気温は下がると考える方も多いと思います。また一方では、大気圏の外側である宇宙は太陽に近いため気温が高いと考える方もおられると思います。
 しかし、大気層では高度が高くなるにつれて、気温が高くなっていくところや、逆に、低くなっていくところがあります。
 地上から高度が上がるにつれて気温が下がっていきますが、10㎞程のところを境に気温が上がっていきます。この境目は「圏界面」と呼ばれており、この圏界面より下を「対流圏」、上を「成層圏」と呼んでいます。
 次図に示しているように、気温の上昇や下降が繰り返されており、それぞれの境目間を地上から近い順に「対流圏」「成層圏」「中間圏」「熱圏」と呼んでいます。


3 大気圏の各層で起こる現象

 各層で起こる現象や特徴として。
 1つ目は、対流圏では、空気の上昇や下降により「気象現象」が起こるということです。
 空気の上昇で雲が発生し、その雲により雨を降らせます。地域よっては台風が発生するなどの気象現象が起きます。
 2つ目は、成層圏にあるオゾン層が存在することにより、生物には有害な紫外線(太陽から地球に降り注ぐエネルギーの一つ)を吸収する役割を果たしています。
 3つ目は、成層圏にあるオゾン層が太陽からやってくるエネルギー(紫外線)を吸収するために気温が上昇します。

※成層圏で気温が上昇しなければ(オゾン層が無くなれば)、地上の気温上昇につながり、これまでにない気象現象が起こることになります。

【大気圏各層で起こる現象】

大気圏起こる現象など
熱圏イオンや電子(太陽からのX線や紫外線を吸収し、高温)。
オーロラが見られる。
中間圏流星(中間圏上層~熱圏)、夜光雲が見られる。
成層圏オゾン層(太陽からの紫外線を吸収)が存在する。
対流圏100m高くなるごとに、約0.65℃の割合で気温が下がる。
気象現象が起こる。