イルカのコミュニケーション能力

ラビング行動

小さな胸びれを使い、他の個体の体とこすり合うことでお互いの絆を確認しあったり、時にはケンカのあとの仲直りのしるしとして行う行動です。

エコーロケーション

音を出し、前方の物体に当たって戻ってきた音を聞くことで、何がどのあたりにあるのかを瞬時に知る能力です。この能力のための鳴音をクリックスと呼び、私たちには「カチカチカチ・・・」と聞こえたりします。

※御蔵島のミナミハンドウイルカのエコーロケーションの音は私たちにも聞こえる周波数から120kHzといった超音波領域まで幅広い周波数のレンジがある音です。

ホイッスル

東海大学の森坂先生の研究報告では、地域差があるかどうかを見るために、最近世界遺産に指定された小笠原諸島の父島、九州の天草下島、そして御蔵島の周辺海域にいるミナミハンドウイルカのホイッスルを比較して、地域差があることが分かりました。

特に天草下島に棲息するミナミハンドウイルカはホイッスルの周波数が他の地域に比べて低いことがわかり、解析で気づかれたことは、「天草下島のイルカのホイッスルは、海中の雑音に紛れていて聞こえにくい」ということでした。そこで海中の雑音を調べたところ、天草下島周辺海域はその他に比べとてもうるさいことがわかり、イルカたちはうるさい場所で効率よく音を遠くへ伝えるために、彼らの鳴音の特徴を変化させているのではないかという考えに至ったようです。

SlowCruise

【参考サイト】
「音の世界に生きるイルカ ~彼らは何をかたりあっているか~」
  東海大学(森坂先生)
 【JAS Journal 2015 Vol.55 No.1(1 月号)】より抜粋